ドクターDの健康コラム 18
2017.01.12
睡眠の科学 その3
睡眠の質を変えるために
眠りは二つの仕組みで制御されています。
ひとつは“体内時計機構”といって、
朝になったら目が覚める、夜になったら眠くなる、という身体のリズムです。
もうひとつが“恒常性維持機構”。
疲れたら眠くなる、つまり、身体を常に良い状態に保とうとする働きです。
この当たり前の仕組みを忘れて、知らない内に眠りの邪魔をしている人が
少なくありません。
邪魔をせずに身体のリズムを後押しする。すなわち、
朝には体内時計を合わせる強力な要素である「朝の日光」、
これを利用して身体を朝のスタート時間に合わせ、
そこから大体14~16時間後に体内時計の働きで自然に眠くなる、という
仕組みを働かせます。
そして夜になれば脳も長時間稼動しているので、
砂時計の砂が下にたまるように、適度に“疲れ”がたまって眠くなります。
他には、
朝ご飯をしっかり食べる、昼寝は短めに切り上げる、寝る前に強い光を見ない、など、
身体のリズムに合わせたメリハリのある生活を送ることが、
シンプルかつ正しく睡眠の質を変える方法です。
必要な睡眠時間に決まりはありません。睡眠時間は人それぞれ。
大切なのは、昼間眠たくならずに元気に過ごせているか、ということ。
まずは自分に必要な睡眠時間を知り、そして毎日必要な量眠る。
それが健康で長生きするために必要なことなのです。
健康コラム執筆担当:中嶋大渡 博士(人間科学・早稲田大学)