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ドクターDの健康コラム 1-月の友

2015.02.10

 

 

 

骨粗しょう症とは骨量が減少する状態を指しますが、

老年者に多発して骨折の危険を高め、

自力での移動困難、寝たきり状態、認知症などの

直接・間接的原因になることから、高齢化社会において

その予防を行う事はきわめて重要な事です。
骨粗しょう症の大部分を占めるのが閉経後骨粗しょう症で、

そのため女性がより骨密度の減少を心配しなければなりません。

 

骨組織は身体を支え、守る働きだけでなく、

カルシウムなどのミネラルの体内バランスの維持、

造血作用など生命維持において重要な役割を果たしています。

そして、骨組織とは破骨細胞による骨吸収(骨からミネラル分が出て血中へ移動する)と

骨芽細胞による骨形成(骨にミネラル分を沈着させる)とを常に繰り返す活発な組織です。

骨は硬い組織なので静止した組織と勘違いされがちですが。

 

それゆえに、これらの動的平衡状態が保たれれば骨量は維持されますが、

バランスが崩れ骨吸収優位になれば骨量減少を来たしてしまうのです。

その原因には加齢や女性ホルモンの働きの低下もありますし、

運動不足も原因の一つにあります。
今から約30年前、1987年の時点でFrostというアメリカの研究者が

骨の成長や骨形成の活性化に力学的ストレス、いわゆる運動などによる

骨への刺激が必要不可欠であると指摘しています。

これは宇宙空間などの微少重力環境における骨量減少や

筋力の低下が問題になっていることからもわかると思います。

 

骨の栄養補給といえばカルシウム、というのはよく言われますが、

タンパク質も忘れてはなりません。

コラーゲンというタンパク質が骨には不可欠なのです。

そしてコラーゲン合成にはビタミンCという補酵素も必要です。

骨を鉄筋コンクリートに例えて、コンクリートをカルシウム、

鉄筋をコラーゲン、といった例えもされます。

 

運動にはウォーキングがおすすめです。

インターバル速歩という一生懸命歩く時間を数分間、

軽く歩く間にはさみこむ歩き方もあります。

力を入れてしっかり歩くのも骨へ力学的ストレスを与える方法です。

たかがウォーキングと思うかもしれません。

されど家の中を動き回るだけ、ちょっと買い物に行くだけ、という

生活を続けている方は意外と多いものです。

運動の大切さはしっかり認識していただきたい部分です。

 

もし骨密度を測定する機会があって、

その結果ご自分の生活習慣に心当たりがあるような方は、

食習慣、運動習慣を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

 

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