>

HIC BLOG

Home > お知らせ・HIC BLOG

月の友ドクターDの健康コラム 4

2015.03.13

 

先日お会いした方が足(すね)に赤茶色のすじのような模様のようなものができていて、

「痛くも痒くもないのですがなんだろう?」という話になりました。

医者で聞いたところ、「老化現象」と言われた(笑)とのことで、

その場でも笑い話になったのですが・・・

 

手元の生理学の教科書を見ると、循環系の項目で

‘静脈は血流量を増加させるためにいくつかのしくみによって支えられている’とあります。

今回のすねに関連しているのは筋肉のポンプ作用というものです。

 

心臓から臓器まで酸素や栄養を運ぶのが動脈で、

臓器から二酸化炭素や老廃物を運び出して心臓へ戻る

(老廃物は最終的に汗、尿、便などとして体外へ排出されます)のが静脈です。

 

動脈は心臓の鼓動に応じて血液が拍出されますが、

静脈には心臓の力で心臓まで血液を戻す力はさほどありません。

よって、心臓より低いところの血液、特に心臓から遠い位置にある足の血液は、

人が立って生活しているため、重力に逆らって上昇して行かなければならないのです。

そこで、静脈の循環には静脈の内側にある逆流防止の弁と

ふくらはぎの筋肉が大いに役立っています。

筋肉が収縮すると、筋肉の静脈内の血液が絞りだされて心臓に向かいます。

ふくらはぎが『第二の心臓』または『筋肉ポンプ』と言われるゆえんです。

 

高齢者、女性、立ち仕事の多い人などは加齢や運動不足、

下肢の血管への負担が多いなどの要素が重なり、冒頭のように

皮膚の最も表面にある細い血管(静脈)が目立つようになる可能性が高いようです。

 

まず生命に支障をきたしたりするようなことではないとしても、

普段の生活習慣で気を付けられることは、歩いたり、足踏みをしたり、

くるぶしを動かすことでふくらはぎの筋肉を収縮させれば、

筋肉の収縮によって足の静脈の血液は心臓に向かって押し上げられますし、

夜、就寝するときや、昼間でも横になる時間のあるときは

クッション、座布団などを利用して足を心臓の位置より高くすることで、

足の静脈の血液を重力で心臓に向かって流す手助けになります。

 

気になるようでしたら循環器系の専門医にご相談いただくのが良いでしょう。

身近な生理学情報のご紹介でした。

 

「月の友ドクターDの健康コラム 4」への1件のフィードバック

  1. その後、ご相談者が私の意見を取り入れてくださり
    実際に寝るときに足を少し高くしてみた結果
    足のすじ模様が薄くなってきたと、ご報告をいただきました。
    たまたま対処方法がうまくいったみたいです。
    身体のしくみもわかったうえでやれば
    自分の体のことも身近に感じられますよね。
    ご報告ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

同じカテゴリの最近の投稿