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月の友のドクターDの健康コラム 8

2015.04.17

 

 

タンパク質の話 ~やや応用編~

 

前回に引き続きタンパク質のお話をします。
① タマゴはなぜ良質なタンパク質なのか?

 

タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されています。

この20種類の中で体内で合成できないアミノ酸が10種類あります。
これらを必ず食事から摂らなければならないという意味で、
“必須アミノ酸”と言います。
どの必須アミノ酸がどれだけ入っているかで
食品のタンパク質の優劣が出てくるのです。
私達人間がどの種類のアミノ酸をどれくらい必要としているか
その基準と食品中のアミノ酸の量を比較すれば
優劣がはっきりしてきます。
その優劣を数値化したのが“アミノ酸スコア”と言われるものです。
これは人間の必要量の考え方が変わるとスコアも変わりますので
1973年と1985年で大豆のスコアが86から100に
大幅に上昇したりしています。
タマゴのスコアはいずれにおいても100です。

アミノ酸スコアは100が満点なので、

タマゴは良質なタンパク質だといえる、ということです。
このアミノ酸スコアを算定し発表しているのはWHOなどですが
もっとも新しいものでも1985年となっています。

アミノ酸スコアは良質なタンパク質を選ぶ基準にしましょう。

しかし大事なことは、たとえタマゴや大豆が100だとしても、

毎日毎日それだけを食べる、
といった偏食はおすすめできないということです。
「良質なタンパク質」とはすなわち
タマゴ、大豆、肉、魚、牛乳・・・といったものですので
これらをバランスよく食べればいいということです。
私のおすすめの食べ方としては、
毎日タマゴを1個、大豆製品を1品種
そしてプロテインのパウダーを5〜10g程度
あとはバランスよくカロリーオーバーにも気をつけて
というもので、これで毎日コツコツと良質のタンパク質が
確実に手に入るのではないでしょうか。

 

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② コラーゲンについて

 

コラーゲンはタンパク質の体内での利用形態の一つで、
筋肉、血管、骨、軟骨、皮膚など、身体の構造部分となる役割を
担っています。
筋肉、骨、軟骨といえば、「歩くこと」に 関連する部位です。
歩けなくなることは脳への刺激を低下させ、
認知症のリスク上昇にも関わってきます。

歩けなくなることによる危険性を

「ロコモティブシンドローム」と言って啓蒙が進められています。
また、血管を丈夫にすることはこれからの高齢化社会に
健康寿命を伸ばすためにも極めて重要です。
皮膚を若々しくするためにも 良質なコラーゲンを体内で作りたい、

という事になると思います。

 

コラーゲンを構成するアミノ酸は

主としてグリシンと他にプロリン、リジンなどです。
この中で体内で合成できない「必須アミノ酸」は リジンです。
つまりコラーゲンの材料に関しては

良質なタンパク質をバランスよく摂取できれば リジンは摂れます。

 

ところで、繊維芽細胞を活性化することで

コラーゲン合成を促進させる様々な方法が 研究されています。
身体にしっかり必須アミノ酸という材料を入れておいて、
コラーゲン生成工場である繊維芽細胞が元気になれば
身体づくりの点では安心できますね。
繊維芽細胞の活性化については 情報が入り次第

またご紹介します。

 

 

 ビタミンCについて

 

コラーゲン合成にはビタミンCが関わっています。
コラーゲン合成の過程の中で欠かせない物質が
ビタミンCです。
しかし、人間は体内でビタミンCを合成することができないので
必ず食べ物として摂取する必要があります。
ビタミンCが不足すると上記のコラーゲンでできた組織
筋肉、血管、骨、軟骨、皮膚などの構成に支障をきたすことになります。
せっかく材料のアミノ酸を身体に持っているのであれば
しっかり合成したいですね。
また、ビタミンCはコラーゲン合成だけでなく体内で様々な働きを
担っている重要な栄養素です。
体内に常に十分なビタミンCを保持しているようにしたいものです。

 

 

普段の生活ではあまり意識することのないタンパク質とビタミンC。

高齢になるほどに、しっかり摂っていただきたい。

それがこれらの栄養素なのです。

 

 

参考図書・文献
ハーパー生化学第26版
「新しいアミノ酸スコアをめぐる問題」栄養学雑誌 Vol.45 No.2 85-90 (1987)

 

 

 

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