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月の友ドクターDの健康コラム 15

2015.12.03

 

血管年齢は調べることができるか?!

 

 

「加速度脈波」に関する論文を読みました。

 

佐野裕司、杉下知子、片岡幸雄
ウォーキングが中高年高血圧者の血圧と加速度脈波におよぼす影響
家族看護学研究 2(1) p28-35 1996

西村千尋

加速度脈波による継続的なトレーニングの評価
長崎県立大学論集 37(1)p103-113 2003

 

 

「加速度脈波」とは、

指先に赤外線を照射することで毛細血管の血液量の変化を見て、

それを測定器の中で分析し、どのくらいの老化度(血管年齢)かを

算出する方法のことです。

 

「血管年齢の測定」というと大変魅力的で、

もし測れるなら測ってみたい、 という方は多いのではないでしょうか。

 

この「加速度脈波」は、

末梢血管(指先の血管)の硬さ、しなやかさ(血流に対する反応性)を

皮膚表面から、比較的短時間で苦痛もなく調べられる方法で、

例えば、指先の血流が良くない為に指先が冷たい人(いわゆる冷え性)では

結果が出なかったり悪い結果が出たりします。

 

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このように簡単に血流の情報が得られるので、研究も多くされていて、

加速度脈波と病気との関係や運動、そして実年齢との関係などの論文も

多く発表されているようです。

研究者によってこれまでにたくさん蓄積されてきた測定結果によって、

この加速度脈波と年齢の関係で、

「どの年代ではどのパターンが多い」というデータをもとに、

実年齢に比べて血管の状態が若いか老化しているか、

測定結果から推定できるというわけです。

この結果は運動療法で改善することも上記研究からわかっているので、

血管の硬さに対して運動に限らず何らかの改善につながることをすれば、

その結果が加速度脈波に反映される(つまり血管が若返る)ことも期待できます。

 

つまり、

良質な日常生活(栄養、運動、心、睡眠)の維持に努める、ということです。

日本人の死因のワースト3に入る脳血管疾患、心臓血管疾患。

突然襲ってくるこの病気に立ち向かうために、

普段から血流と血管を良い状態にするべく努める。

血管の材料となる良質なたんぱく質とビタミンCの摂取。

運動と食事によるカロリーコントロールとメタボ予防。

リラックスして活性酸素(動脈硬化の原因にもなる)の発生を極力減らす。

良い睡眠で心身の疲れを癒し、血管と心臓を休める、などなど。

 

加速度脈波の測定はなかなか特別なチャンスでもないと測定できないと思いますが、

身近に測れる「血圧」なども、自分の“血管の状態”を知る目安になるものなので

有効に活用したいですね。

 

ちょっとした努力で実行できる日常生活の改善で、

若々しい血管を目指しましょう。

 

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