ドクターDの健康コラム 20
2017.02.10
冬場の経口補水飲料について
我々の体温調節には、体内の水分量が大いに関わっています。
水分が不足して体温調節ができなくなった状態をいわゆる脱水症といい、
夏場に普段から水分が不足気味の高齢の方が、何らかの理由
(例えば冷房の効いていない室内で知らず知らずのうちに過度の発汗を起こすなど)で
水分不足になることで、屋内でも脱水症を起こすことが問題になっています。
夏に限らず冬でも、入浴での発汗、睡眠中の発汗が起こります。
そこで厚生労働省後援の「健康のため水を飲もう」推進委員会では
季節に限らず、そして喉の渇きに関わらず
「あと2杯、水を飲みましょう」と提唱しています。
この2杯とは入浴後と起床時です。
夏場には経口補水液というものをCMなどで目にしたと思います。
これは身体から失われた水分と電解質を経口的に補う飲料で、
その特徴は点滴と近い組成であるということ。
つまり身体が失った水分を補う最適な飲料であり、
かつ吸収されやすい配合だということです。
高齢の方は夜中に何度もトイレに行かないよう
寝る前の水分摂取を控える傾向にありますが、
経口補水液は通常の水分摂取よりも頻尿になりにくいので、
就寝前でも安心して飲んでいただけます。
体内の水が常に枯渇しないように心がけることは
生命活動を適切に維持するための基本です。
冬でも、喉が渇かなくても、定期的な水分摂取を心がけてください。
健康コラム執筆担当:中嶋大渡 博士(人間科学・早稲田大学)