ドクターDの健康コラム 17
2016.12.29
睡眠の科学 その2
寝ている間に起こっていること
眠りには、脳を活動させる「レム睡眠」と、
脳を休ませる「ノンレム睡眠」の二種類があります。
レムとは、REM(Rapid Eye Movement:急速眼球運動)の略。
難しい話は省略しますが、
まるで覚醒時(起きている時)のような脳波を示す
特殊な眠りを「レム睡眠」と呼びます。
一方、脳の働きをしずめて休ませる眠りが「ノンレム睡眠」です。
寝ている間に身体を成長させ修復する成長ホルモンは、
寝入りばなの深いノンレム睡眠時に集中して分泌されます。
脳はまずノンレム睡眠を行い、その後短いレム睡眠があり、
再びノンレム睡眠に戻り、短いレム睡眠になるサイクルを
一晩で3~4回繰り返します。
1サイクルは約1時間半。
胎児・乳児はこのレム睡眠が非常に長く、成長とともに減っていきます。
レム睡眠によって脳が活動し、作られていきます。
そしてある程度脳ができると、レム睡眠によって記憶が整理され定着します。
それだけでなく、自由な発想で物事を考えたり解決したりもします。
夢を見るのもレム睡眠の時です。
脳を活性化させるこのレム睡眠は、十分な睡眠時間がとれている人なら
明け方に多く出現するようになります。
こういった眠りの仕組みが分かっていれば、
寝ている間に効率よく体と脳を休ませ、活性化させ、
眠りを無駄にするという事はありませんね!
このように眠りには種類と役割があって、複雑で多様です。
未だ解明されていないことも多く、
現在も世界の多くの研究者の興味をとらえて離さない研究課題の一つなのです。
※その3に続く
健康コラム執筆担当:中嶋大渡 博士(人間科学・早稲田大学)